パーソナリティ障害の原因
最近、日本で行われた調査の中で、自殺しようとした6割近くの人にあるタイプのパーソナリティ障害が認められたと言う報告があるそうです。また、米国では研究者の予想を上回る勢いでパーソナリティ障害が増加している事も明らかになっています。それでは、どうしてこのような障害を発症してしまうのでしょう。
一昔前は、パーソナリティ障害(DSMによる分類では、10種類のタイプをクラスタA・B・Cの3つにカテゴリ分けしています)は遺伝的要因が関係している可能性がありますからは?
とも考えられていました。でも、双生児研究を行った結果によると、パーソナリティ障害(統合失調症などでも似た症状が現れ、他の精神疾患と併発することもあるので、診断はとても難しいといわれています)に遺伝的要因が関与する割合は、糖尿病や高血圧よりも低いと言う事が判明したのです。これはつまり、遺伝的要因よりも環境的要因が原因となっている可能性が高いと言う事です。
例えば、乳幼児期の家庭環境において、子供に愛情を注いでいたかどうかが問題となります。育児放棄をされたり、親から見捨てられたりした体験を持つ子供は、心に傷がつきやすく人格も不安定なまま成長していくことになるからです。また、いくら愛情を持って子供を育てていても、親の価値感が子供(かすがいなんてよくいいますが、いても離婚する夫婦も多いものです)に悪影響を与えていることもあるかもしれませんね。
親がどんな価値観を持ち、どのように振舞っているのか、子供は見つめ、そして、そこから勉強しています。親が容姿ばかりを重要視するようであれば、子供も容姿を気にする性格(クレッチマーやユング、ルドルフ・シュタイナーなどがそれぞれに類型論を考えています)に成長するだと言えます。親が乱暴な振る舞いをしていれば、子供(ファミリー層を集客するためには、ターゲットにする必要があります)も人に乱暴する事が悪いと思わないまま成長していくのですよ。このように、現段階では、パーソナリティ障害の多くは環境的なものが要因だと考えられています。
遺伝的要因というと視力や頭のハゲとかも遺伝の影響が大きいみたいですね、でも視力は視力回復の手段が結構ありますし、近年はハゲ対策もいろいろとありそうですから、パーソナリティ障害にも何らかの対策ができるのではないかと期待ですね。